万葉の藤

万葉の藤

新潟県三条市白山新田1

万葉集巻十七に「妹が家に 伊久里の森の藤の花 今来む春も 常かくし見む」という歌がある。 伊久里が越後の三条市井栗という説のほか、大伴家持が越中国守として赴任した万葉のふるさと、富山県高岡市という説もあるらしい。(高岡にはイグリ・イクリという地名はなく、砺波市に井栗谷という地名がある。)2022年5月8日訪問。

国道403号三条北バイパスが、加茂市下条から三条市下保内、井栗・北野新田を通って大宮新田(県道537号)まで延伸工事中である。画像にあるのは布施谷川(こう見えて一級河川)で、周囲はバイパス工事に伴うボックスカルバート設置工事や、道路迂回工事でごちゃごちゃしていた。

グーグル画像より。バイパス新道は、万葉の藤のすぐ南側を通る。

藤の西側から入れる。

万葉の藤全体像。榎の大木に藤が絡みついている。

正面から見上げる。

三条市教育委員会の説明看板。重要な情報として①歌に詠まれた「伊久里」には越後説、越中説、大和説がある。②藤は古株だが、万葉集の時代のものではない。この2点だろう。

市の指定天然記念物に指定されている。

藤を東側から望む。新緑の榎から、藤の花がフサフサとのぞき、風にたなびいている。朝一番で、ヒバリやスズメが鳴いていて心地よい。

これは撮影家あるあるなのだが、カメラで撮ったものと、目で見たものは色合いが異なる。特に藤のように青系の花は、帰ってから「こんな色じゃないよなあ」と感じることが多々ある。「心の目でこう見えたフィルター」で、少し紫めに加工してある。

心の目フィルターで。藤の花は青紫だが、薄い花びらに陽が当たると白飛びして写る。